紅葉の奥只見 白石沢スラブ 報告者:賀来素明

素直ガイド撮影編集
ご自宅の大型液晶テレビにキャストして視聴されることをお勧めします


この週末は関東甲信越地方に5500mで-21℃の寒気が入り天候が極めて不安定との予報が数日前から報じられていました
このような状況でどのように判断するかがガイド有資格者にとって最も重要な資質かと思います 今回は想定内の状況で目的を達成することができました
転滑落防止の為の安全管理の目安一つとしてビレイカバー率の向上を都岳連ガイド養成では推奨していますが、アプローチの沢歩き部分を除いてビレイカバー率100%で実施することができました これは素直ガイドがショートロープを実施したためです インターネット上の情報では歩いて登れるような記述がありますが総合的に見て、本コースはガイドによるビレイが望ましいルートだと感じました
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宿泊した銀山平キャンプ場も素晴らしいものでした
設備の整ったキャンプ場で紅葉の真っ盛りでした キャンプ場内に温泉施設がありますがこれも近代的なもので申し分ありません トイレや炊事場も清潔ですしキャンプサイトまでの誘導路も舗装されています オートキャンプ用のサイトを借りましたが10アンペアの電源がありました
気象情報については素直ガイドが定期的にチェックし検討し、最悪の状況を想定して実施することにしました
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午前中は小康状態でタイムリミットを13時と想定し出発しました
場合によっては雹や降雪も想定されるので、その為の準備もして行動開始
スラブの初めの60mは一部でぬめっていました
登り始めるころにはガスも切れて大展望が広がっていました
紅葉も見事なものでした
このスラブの景観は唯一無二のもので全員が驚いたかと思います
迎えのボートが13時に来る予定なので11時過ぎに下降開始
最後に30mの懸垂下降をおこなってアプローチの沢底近くに着地
12時49分にボートに乗りましたが雨が降り出しました
本格的な降雨になり波止場へ帰着 すぐに銀山平の「しろがねの湯」で体を温めて家路につきました
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銀山平キャンプ場の夜景

私たちのサイト

銀山平キャンプ場内にある「かもしかの湯」

かもしかの湯への入り口

モンベルのムーンライトⅪ型テントが食堂
このムーンライトⅪ型は販売開始後すぐに廃番となってしまいました

 
右に見える赤いザックに注目 太田さんのザックです
チョゴリザのオリジナルザック
チョゴリザは水道橋にあった登山用品店で、その後四谷に移転しました
私も厳冬期用の登山靴をチョゴリザで買ったことがあります
ナンガパルバットというチョゴリザオリジナル靴で当時3万9千円したことを覚えています

夕食はトン汁
前日に材料の下ごしらえに苦労した甲斐があって調理は短時間で済みました

電源付きのサイトなのでLED電球を灯しました
自宅のリビングのように明るい

29日の朝食は素直ガイド特製の牛丼でした
米から具材・・そしてその後処理もノウハウの塊です

銀山平キャンプ場は紅葉の真っ盛り

炊事場

トイレ棟

ボートでアプローチ

スラブに入りました
ガイドとしてはビレイ以外には考えられません
易しいからノービレイ?と、もし思うなら都岳連ガイド養成委員会基準ではガイド失格です

中段に大きな平坦地があります




エルキャピタンで60kgを越えるホールバッグを
片手で引き上げるほどの筋力を持つ素直ガイドがショートロープでビレイしました


私が奥只見に強く惹かれるようになったなったきっかけはこのJR東日本のポスターでした
キャプションには次のようにあります
"どこにもありそうで、どこにもない眺めだ。
新潟県「奥只見銀山平」
明らかにはじめての地だという感覚。海外のような開放感さえあるが、紛れもなく日本だ。奥只見湖の西、銀山平は越後駒ヶ岳を背に黄金色に輝き秘境の雰囲気を増幅させる。誰かに教えたい気もするが、秘密にもしておきたい。そんな光景との出会いだった。"
このポスターに触発された山行の一つが2009年の次の記録です